2014年4月27日日曜日

シカゴと私

土曜の午前9時過ぎにリッチモンド(バークレーの隣町)を出発し、月曜の午後3時ころシカゴに到着。列車を降りた瞬間から寒い!まるで冷凍庫の中にいるかのように空気が冷たい。線路や道路のあちこちに雪が残っている。

規模が大きくて迷子になりそうなシカゴ駅を出て、まずはホテルへ。私たちが泊まったのはWyndham Grand Chicago Riverfront Hotel。ここは部屋の内装がきれいでとても良かった。荷物を置いて、さっそく街を散策開始!

しかし、久しぶりに都会に出てきた私には面食らうことばかり。歩行者は横断歩道の信号がまだ赤のうちに歩き出し、車は歩行中の人がいても横断歩道に突っ込んでくる。こんな寒い地域でホームレス生活をしている人たちは悲惨で、コートを着ている人は恵まれている方で、シーツをかぶって震え続けている人もいたし、寒さのあまり動けなくなっている人もいた。悲しいことに、私が見た限りではホームレスに施しをしている人は一人もいなかったし、ホームレスの中でも体力の残っている人は道行く人に声をかけるものの、ことごとく無視されていた。目が見えない人が他の歩行者にぶつかってしまっても、助けてあげる人はいなかった。「アメリカ=弱者にやさしい国」という自分の思い込みが崩れた瞬間だった。

バークレーやホノルルのホームレスにはどこか余裕が感じられる(ここでは、気候のために生命を脅かされることがない、という意味で)のに、シカゴのホームレスは本当に切実だった。とても見ていられなくて、シカゴに滞在していた2日間は自分たちが食べきれなかった食事をホームレスにあげる、と決めて実際に何人かのホームレスにあげた。

シカゴに着いた2日目は観光にあてることにした。夫の強い希望により、アウトサイダー・アート専門の美術館、Intuitへ。メインで展示されていたのはHenry Dargerの部屋だった。

次に足を運んだのはLincoln Park。ここにある公立の動物園がお目当てでやってきた。…ところが、行けども行けども動物がいない。目に入るのは「気候のため、本日は室内にいます」という看板ばかり。前日の夜に雪が降っており、地元民に言わせると「今日はめちゃくちゃ寒い!」ので仕方がないか。動物も人もいない寂しい動物園を歩いていると、植物園があったのでとりあえず温室に入ってみると、中にはたくさんの人がいるじゃないか!みんな暖を求めて来ていたのだ。



意を決して再び外に出て、懲りずに動物園をみてまわる。結局、屋外展示されていたのはライオンとカバだけで、あとの動物は室内展示だった。といっても半分くらいの動物は室内展示すらされていなくて、全く姿を見ることができなかった。ホッキョクグマも奥に引っ込んでしまう寒さ。







この旅はシカゴで何かするというよりも寝台列車に乗ることがメインだったので、シカゴで過ごしたのはたったの2日。翌日にはオヘア空港からVirgin Americaでサンフランシスコ空港へ帰る。

子連れのフライトは慣れたものよ、ベイビー用だと言えば飲み物は何でも機内に持ち込みできるもん、と思っていたら、水を入れていた哺乳瓶と離乳食を入れていたタッパーを没収される。「次から気をつけようね」的温情措置はなく、ホノルル空港で甘やかされた私は相当へこんだ。そうか、そうだよね、液体物は機内に持ち込んじゃダメって、常識だもんね…。

サンフランシスコ空港に着いて、BARTに乗っているあいだ咳き込んでいたら、のど飴をくれたおじさんがいた。BARTの改札口でベビーカーがつかえていたら、電話中だったにも関わらず手伝ってくれた男性がいた。この暖かさ!私の心の故郷はやっぱりバークレーだよ!

2014年4月12日土曜日

寝台列車でシカゴまで

Amtrak鉄道が長距離路線も運行していると知り、バークレーからはるばるシカゴまで行ってきた!長い長い旅の記録です。

私たちが乗ることにしたのは、Emeryville発Chicago行きの寝台列車、California Zephyr。人生初の寝台列車で、シカゴまで乗り換えなしの51時間の旅。ベッドが2つある個室(superliner roomateという名前)を予約し、うきうきしながら出発!

車なしの私たちにとって、EmeryvilleよりもRichmondの方がアクセスしやすかったので、私たちはRichmond駅から乗車。ここは治安が悪いと言われているけれど、意外と駅周辺はきれいだった。…それは良しとして、Richmond駅のホームの電光掲示板にも時刻表にも、私たちが乗る予定の列車のスケジュールが表示されないので焦ったのなんの!おまけに予定より遅れて列車が到着したので、すっかりテンパってしまった!

無事に乗車し、個室に案内してもらう。ところが、「…え?」乗務員に通されたのは、扉が付いた1畳ほどのスペースに向かい合わせになった座席が2つあるだけの小さな空間。ん?予約を間違えたかな?と思いつつ「ベッドはどこですか?」と聞くと、彼女は座席2つを倒してつなげることでベッドを1台作り、頭上に折りたたまれていたもう1台のベッドを引き出してくれた。つまり、個室といっても2段ベッドのスペースしかないのだ!想像していたよりもはるかに狭くて、ちょっとがっかり…。(注:個室にはもう1ランク上のsuperliner bedroom suiteがあり、4台のベッドと専用の洗面台とシャワールームがついていて4.5畳ほどの広さがある。お値段は2泊で約1700ドルとお高め)

でも、寝台車(Sleeping Car)には、共同のトイレとシャワールーム(石鹸とタオルも備えられている)があり、7回分の食事が料金に含まれており、コーヒーやジュース、ミネラルウォーターが自由に飲めるというサービス付きなので、ひとり当たり約500ドルという値段を考えるとなかなか悪くないと思う。食事もアメリカで食べるものにしてはそこそこおいしい。

列車は最前部からCoach Car(個室なしで座席のみの車両。食事代は含まれないので、この車両の乗客はCafe Carで飲食物を買うか、その都度お金を払ってDining Carで食事をすることになる。シャワールームもなし)、Lounge Car(天井近くまで窓になっており、ふかふかの座席とテーブル席がある。乗客は好きなだけここでゆっくりすることができる)、Dining Car、Sleeping Carという構造になっている。

私たちはほとんどの時間をLounge Carで過ごした。ここにいると他のお客さんとの交流が生まれるので、とても楽しかった。ジョン・レノンに似た男性はこの列車で恋に落ち、恋を失った。ドイツ人のおばちゃんは新聞紙から切り抜いたSudoku(数独)のスクラップブックをいつも大事に抱え、シカゴにいる彼女に会いに行くという中国人男性は他の乗客に寄せ書きを頼んでまわっていた。ヒスパニックのおばちゃんは窓からいい景色が見えると、いつも景色をバックにして自分の写真を撮っていた(待ちうけ画面も自分の写真だった)。乗務員は子連れにどこまでも親切だったし、他の乗客もやさしい人が多かった。




寝台車両の寝心地はどうだったかというと、うーん、揺れる揺れる。一晩じゅう扉がガタガタ音を立てるので、乗客のなかには「Crazy noisy car!」と苦情を申し立てた人がいたらしい。うちの家族は悪環境でも割と平気なので2日ともよく眠れたけれど、正直に言って、繊細な方にはおすすめしません。

この列車の醍醐味は何といっても車窓からの景色。出発してすぐにロッキー山脈越えがあり、砂漠を15時間以上ひた走り、雪のコロラドに砂漠、砂漠、砂漠…。アメリカの広さをひしひしと実感。

ロッキー山脈を通過中




シカゴ篇につづく。