2013年8月21日水曜日

天台宗ハワイ別院

ひょんな成り行きで夫が講演をすることになった。3.11で被災した福島の子どもたち(「ふくしまキッズ」)がこの1ヶ月間をハワイで過ごしていて、彼らのためにハワイの自然エネルギーについて話をするのだ。会場は天台宗ハワイ別院。ハワイで寺社めぐりをするつもりはなかったのに、これもきっとご縁というものだろう。

バスに乗ってダウンタウンを通り過ぎ、山を登って、やっと到着。日本のお寺とは違う雰囲気だったので、思わず表札を確認する。



夫の講演が始まったので息子と私は部屋の外で待機していると、作務衣を着たおじいさんがふらりとやってきた。ダックスフントがトコトコと後をついてくる。ホームページで顔写真を見ていたので、この方が住職の荒了寛さんだとわかった。荒さんは奥の部屋からカメラを持ち出してきて、夫が講演をしている様子を「ふむ」とか「うん」とか言いながら撮影すると、再びふらりと外へ。この方がにこにこ了寛さんかぁ。

講演後、参加してくれたふくしまキッズの子たちが息子のもとへ集まってきた。どの子も素朴で純真で、まっすぐ育ったんだなあと思われる。触っていいよ、と伝えると怖々と息子の頬や足を撫でてみる女の子たち。息子の手相をチェックし始めたり、私の手に仏眼があるとわかると「霊感があるっていうけどホント?幽霊みたことある?」と聞いてきたりと、無邪気で可愛い。しばし幽霊談義をする。

この日はふくしまキッズのために、福島県人会の方々が食事を用意してくれているという。ぜひ食べていって、と暖かく声をかけていただいたので、私たちもご相伴にあずかることにした。住職である荒さんが福島県出身の方なので、福島県人会というものをこのお寺で開催していると伺った。

福島の郷土料理が食べられるのかなと思っていたら、チキンのガーリックソテーにはじまってアメリカンなお料理だった。それもそのはず、この会の方々のほとんどが日系2世・3世なのだった。日本語が通じないので、英語でやりとりする。見た目は日本人同士なのに、なんだか変な感じ。外国人と話しているのと変わらないのに、日本人特有の口に出さずとも伝わる思いやりが感じられるのが不思議。

荒さんは皆と同じテーブルにはつかずに、テラスで可愛いワンちゃんとともにお食事。名前を聞いてみると、「ん~、名前?チャ」という返事がかえってきた。…茶?その子は黒いんだが…と思いつつ荒さんの動向を見守っていると、チャちゃんにケーキを食べさせている。犬が生クリームを食べても大丈夫なのだろうか。ついでにいうと、チャちゃんはピンクの洋服を着せられていたので女の子かと思っていたら、御姿を観察したところ男の子だったので、チャくんであった。

食後、私が息子を抱いているのを見て、「あ~、こりゃ、おままごとだな」とつぶやく荒さん。…私が子どもに見えるらしい(息子を連れていると、ときどき「Your baby?」「How old are you?」と言われることがある)。「ひとつ、母親らしく抱いてみなさい」と言われて抱き直すと写真を撮られた。荒さんは食事中も皆の様子を写真に収めていたし、相当な写真好きなんだ、きっと。

お寺の応接室にあった本棚を眺めていると、ひろさちやさんの著書や仏教説話集が多いのはわかるのだけど、夢野久作全集とか高橋留美子作品集とかがあるので「はて?これはいったい誰の趣味だろうか」と首をかしげてしまう。本棚をみれば持ち主の人柄がわかるというけれど、あまりにも混沌としたチョイスに、どんな人物の所蔵なのかどうにも分析できなかった。でもこの混沌さがハワイの象徴でもあり日本人の宗教観でもあるような気がして(大げさ?)、割と好きだったりする。

今回の出会いは、思いがけないギフトだったと思う。いかにもハワイらしい柔らかい方法で、自分の思い込みを正してくれたから。被災した子どもたちはいつまでも悲しんでいなければいけないわけではないし、僧侶はひたすらストイックでなければいけないものではない。日系人は日本人とまったく同じではないけれど、まったく違う存在でもない。そんなの当たり前なんだけど、改めてひとつ自分のブロックを外してくれたような、そんな恵まれた出会いだった。


2013年8月5日月曜日

IZUMO TAISHA

神社が好きで、日本にいたころはしばしばお参りに行っていたのだけど(一人で榛名神社や箱根神社、鹿島神宮に行ったことも)、バークレーにはお寺はあれど神社はないので久しく参拝していなかった。けれどハワイに来てみたら、ホノルルに神社がいくつかあると知り、にわかに心浮き立つ。

金刀比羅神社もあったけれど、今回は出雲大社の分社に行ってみることにした。ホノルルを走るバス・The BUSに乗り、最寄りのバス停で降りてみたら、いきなり悪臭が漂う。治安の悪さを示すバロメーター、悪臭・落書き・散乱するごみの3拍子が揃っている。神社までの道のりにも、ホームレスがけっこういる。こんなところに神社があるのかなぁと思っているとあっさり発見。川を挟んだ向かい側にはチャイナタウンがあり、完全に異国ムードを放っている。



太い注連縄は本社から運んだものだという。狛犬がシーサーなのはなんでだろう?社殿には「IZUMO TAISHA」と書かれた札が掲げられている。御守りを買いたかったので社務所を探すと、社務所という名前ではなく事務所であった。中に入ると、巫女さんでも神主さんでもなく、普通の服を着た女性スタッフが応対してくれた。御守りは、交通安全、家内安全、心願成就などいろいろあるけれど、「スポーツ御守り」と「マラソン御守り」を見つけてびっくり。ホノルルマラソンを対象にしているのは明らかで、何やら商業主義的なニオイがする(もしかしたら、こういう御守りはありませんか?という問い合わせが多かったから作ったのかもしれないけど)。



本社の規模と比べると格段に小さい神社だけど、地元の方にとっては神社といえばここの神社を指すらしく、お宮参りや七五三などの大事なイベントでもここを訪れるらしい。

「子どもまもり」を5ドルで買ってみた。