2013年7月29日月曜日

ホノルルの身体によいお店

期間限定のハワイ生活。家で子育てをしているだけではもったいない!とばかりに、日が沈んでから近所を開拓する日々。いくつかおすすめできる良いお店を見つけたので、ホノルルを訪れる機会があったらぜひ足を運んでみてください。


<Peace Cafe>

オリジナルのヴィーガンメニューを扱うお店で、とてもおいしいのですっかりお気に入り。お店の内装も流れている音楽もメニューも、日本人の感覚に近いなあと思っていたら、料理を作っているのは2人の日本人だった。

ドリンクもスイーツも徹底してヴィーガンで、確固たる信念を持って経営されているこのお店は、決して目立つ外観ではないのだけど、閉店間際に行ったときでも食事時をずらして訪れたときでもお客さんが多い。

ハワイに来たといえどアメリカなので、おいしい食事ができるお店を見つけるのは難しいだろうなと思っていたら、さすがは日本人が経営するお店!ヴィーガンではない方でも(私もヴィーガンではないのだけれど)ぜひ行ってみてください。


<Down to Earth>

ガイドブックによると、ホノルルでオーガニックといえばここ、というくらい有名なお店らしい。お店のポリシーも扱っている商品も、私がバークレーで一番好きなお店・Natural Groceryとほぼ同じ。違うのは、こちらではデリコーナーがあること。スムージーやコーヒー、日替わりのお惣菜をお店の1階で売っていて、2階で飲食することができる。オーガニックを謳っているのでお値段は高い。けれどスムージーがおいしいのでついついリピートしてしまう。


<茶の間>(HPなし)

Kaimuki通りにある、台湾のお茶と日本の鍋料理を扱うお店。台湾人の若きオーナーが、流暢な日本語で台湾式の茶器やお作法について教えてくれる。食事は鍋料理のみで、漢方を取り入れたというオリジナルなお鍋。クコの実をはじめ漢方は控えめに配合されていて、だし汁まで全部飲み干してしまうおいしさ。漢方薬は苦手だという方でもたぶん食べられると思う。2歳の可愛い看板娘ちゃん(奥様は金髪美女!)がお出迎えしてくれます。


<rikitlomi>

夫がどこからか見つけてきたマッサージ師さん。お店はRikiさんという男性が一人で経営している。指圧、スウェーデンマッサージ、ロミロミの中から好きなものを選べる。肩と腰が凝っていて寝られないくらい痛い、と私が伝えるとRikiさんが「それではロミロミにしましょう」と言って、ロミロミを初めて体験することに。オイルを塗ってほぐしてもらうと、ゴリゴリと音がしそうなくらい効いている。自覚していた以上に凝っていたらしい。

Rikiさんは施術中は電話に出ないうえ、お店も施錠してしまう。また90分で60ドルという破格にも関わらず、チップは受け取らないと決めている。技術はもちろん、誠実な人柄も信頼できるので、夫婦でお世話になっている。


…こんな風に連日、ベビーカーを押して外にくりだしている。アメリカで子育てをしていて気楽でいいなと思うのは、小さい赤ちゃんを外に連れ出しても周囲の目が気にならない、ということ。

そんなの信じられない!という方もいるかもしれないけれど、ビーチに行ってもレストランに行っても、赤ちゃんを連れてきている人を何人も見かける。私たちが息子を連れていても、好意的に話しかけられることはあっても、「こんなところに赤ちゃんを連れてくるなんて!」というようなことは一度も言われたことがない。この点については賛否両論あるかもしれないけれど、少なくとも託児できる場所がない私たちにとっては、どこへでも息子と一緒に出かけられる環境というのはありがたいことだと思っている。

2013年7月17日水曜日

ハワイで暮らす

インターンシップに旅立った夫を追って、生後1ヵ月半の息子と共に5時間のフライトに乗って、たどりついたのはオアフ島。ホノルル空港に降り立った瞬間に肌に染み込んでくる熱気と湿気に、新しい人生の始まりを実感する。

夫とは3週間ぶりの再会。さぞ感慨深いものがあるかと思いきや、夫を見た私の第一声は「どうしちゃったの?」であった。夫の顔が呆けているのだ。魂が抜けているというか、覇気がないというか。こんな夫は見たことがない。話しかけても、ワンテンポどころかツーテンポくらい反応が鈍い。

日本にいたころもバークレーにいたころも、仕事や学業に追い立てられて毎日が修羅場みたいな生活で余裕がないことが多かったのに、いま目の前にいる夫は「ぼや~ん」としていて別人のよう。何を言ってみても、のらりくらりとしていて肩透かしをくう。いまや歩く速さまで変わってのんびり屋になってしまった。何だこれ。いくら南国だからって、楽園だからって、適応しすぎじゃないの?

私たちは今ホノルルに住んでいる。日本人Yさんがご家族と暮らす高級マンションにサブレットさせてもらっている。最初は夫が住んでいたハワイ大学の独身寮に子連れで同居しようとしていたのだけど断られて(←当たり前)困っていたら、夫の同僚が別荘を貸してくれるというので安心。…と思ったら出発の2日前になって、同棲していた彼女にフラレて追い出されたので別荘には僕が住むから貸せないよソーリー、ということになって、にわかに家探しを始めた夫。

当初Yさんの部屋はタイミングが悪くて断られてしまい、あわや赤子連れで4畳半の下宿部屋に住むはめになりそうだったところ、Yさんから「先約の方がいたのだけど、赤ちゃんがいることだし、どうぞ」とこちらが申し訳なくなってしまう親切さで受け入れてもらえたという、何ともハワイアンなゆるい流れに乗って現在に至る。

家の近くを散策してみると、アジア各国の料理屋さんもあれば日本料理屋さんもあるし、混沌とした街並みについてはバークレーと同じような印象。でも空の青さが、陽射しの強さが、そしてここで生活している人たちの顔つきが違う。

風になびくヤシの木と美しい海、澄んだ空に暖かい気候。ゆるまずにはいられない。そんなに頑張ることないじゃないか、ここにいる間は人生のごほうびなんだから、とでも言われているかのような空気が漂う。こんな贅沢な夏はきっとこれが最初で最後。生まれたての我が子を育てながら、少しのあいだの羽根休め。

小さなことも大きなことも、これまでのことは笑い飛ばそう。これからは笑って暮らそう。





2013年7月7日日曜日

Alta Bates Summit Hospital

アメリカでは高すぎる医療費を理由に、手術をしても1泊2日や2泊3日で退院させられることがほとんどだと聞く。私は出産までに3日間、産後に3日間で計6日間と、思いがけず長期入院することになってしまい、すっかりAlta Batesについて詳しくなってしまった。


・看護師の服装が自由

いわゆるナース服がなく、みな思い思いの服装をしている。なかにはネイルアートをしていたり香水をつけたりしている人もいた。患者も、入院中に化粧をしたければしていいらしい。


・病院食は美味しくない

帝王切開になる可能性があったため、出産までの3日間ほぼずっと絶飲食(一度だけ、入院から32時間ぶりに食事が許されたことがあったけれど、その後再び禁止され、水も飲めない状態で分娩に突入したので体力的にかなり辛かった)だった。そんなわけで、飢えに飢えた状態でやっと食事にありついたのだけど、残念なことにそんな状態でも食欲がわかない内容だった。看護師も「おいしくないよね…」と言っていた。野菜は申し訳程度に冷凍ミックスベジタブルが添えられるくらいで、肉とチーズを使ったメイン料理(こちらも冷凍食品と思われる)が多かった。飲食物の持ち込みは自由なので、近くにあるオーガニック系スーパーマーケットのWhole Foodsで夫が買ってきてくれた量り売りのスープやお惣菜を食べたりした。


・入院着が恥ずかしい

入院着が、前面からはスモックかワンピースのように見えるのだけど、背中側には紐しかないので背中もお尻も脚も丸見えという恥ずかしい代物だった。廊下を歩いている他の妊婦さんを見てみると、丈の長いガウンのようなものを羽織る以外に、この入院着を2枚向かい合わせるように重ね着して、おなか側と背中側の両方をうまく隠している人を何人か発見した。


・日本人に対する好印象

私たちが日本人だとわかると、好意的な反応を示してくれる看護師が多かった。「日本人は礼儀正しいから好きだ」「息子がウルトラマンのファンで日本語を勉強している」「夫が日米のハーフなの」などなど、社交辞令もあるだろうけど、こちらに歩み寄ってきてくれるのが嬉しかった。


・薬を処方することに躊躇がない

入院中は、約3時間おきに看護師がチェックにやってくる。点滴を打たれっぱなしのところに「痛みはないか」「気になることはないか」と聞かれ、少しでも痛みを訴えると飲み薬を処方されたり(どの看護師も、薬を呑み込むところを見届けるまで離れないのでごまかせない)点滴を追加されたりと、かなり薬漬けにされ、最後の方では気が滅入ってしまった。いろんな薬の副作用で足が変形するほどの浮腫や吐き気などの症状も出てきたので、早く退院したくてたまらなかった。浮腫は本当にひどいもので、退院後に毎日あずき茶を飲んで水分排出をはかったところ、5日間で10キロ体重が減って、やっと元の体型に戻れた。


・日本語が話せる看護師がいる

産後の病棟には、日本語が話せる韓国人の看護師が2人いた。そのうち1人は日本で生まれ育った方なので、日本人同士で会話するのと遜色ないレベルで話ができた。また、今回私はお会いできなかったけれど、聞いたところによると日本人の看護師が1人いるらしい。


・患者の権利が守られている

出産方法については、正直な気持ちとしては赤ちゃんさえ無事に生まれてくれれば何だってかまわないと思っている。けれど今回のお産では、事情があって帝王切開はできるだけ避けなければいけなかった。

出産にあたって帝王切開を望まないことを伝えたときに、医師が決して無理強いしなかったことはすごいなと思った。日本なら、少しでもリスクがあると帝王切開に踏み切る病院は少なくないし、患者がそれに対して異議を唱えて主張が通るなんてことはそう滅多にないだろう。担当の医師がたまたま私たちの言い分を聞いてくれただけかもしれないけど、本当にありがたかった。状況的に何度か帝王切開をすすめられたけれど、私たちがノーと言えば尊重してくれた。

そして予想もしていなかったけれど、私たちのこの姿勢が看護師たちに支持され、みな応援してくれた。「ドクターは帝王切開の話をしているけど、あなたは望んでいないのだからノーと言うのよ!幸運を祈ってるわ」とか、産後には「ねぇ、みんな!この小さな女性は大きなことを成し遂げたのよ。帝王切開に対してノーと言って、それを実現したのよ!」などと言われ、アメリカだからできた経験だったと思う。

もう1つ貴重な経験をした。薬漬けの入院生活にうんざりしていたので、医療拒否をしてみたところ、訴えが認められて薬から解放してもらえたのだ。

退院する前日、医師が私を診察したあとで「あなたの回復が早くて驚いているわ。もう大丈夫ね。あなたの赤ちゃんは明日には退院できるだろうから、一緒に帰りたいでしょ?あなたの病室は明日まで押さえておいたわ」と言った。そのあとでやってきた看護師が新しい点滴と採血検査をする、と言ってきたので、医師の言葉を盾にとり「自分にはもう薬は必要ないと言われた」とアピールしてみた。

看護師は機嫌を悪くしてしまったけれど(「医師があなたには治療が必要だと端末に記録しているから私は従っているのよ!」「そうよね、患者には医療を拒む権利があるものね!」)私は「病室をとってあるのは医療を受けるためではなくて、子どもと一緒に退院するため」なのだと訴え、看護師が医師に確認したところ、医師は「あ、端末に入力するのを忘れてたわ。彼女にはもう薬は必要ないわ」と言い、私は点滴からも薬からも自由になれた。


日本では「お医者様や病院のいうことは正しい」という風潮が強いので、日本でこんなことをしたらクレーマー扱いされてしまいそうだけど、これもまた自分で道を切り開く国・アメリカだからこそできた経験だった。