2012年11月30日金曜日

アメリカの警察で事情聴取


アメリカで犯罪被害に遭って警察から聴取を受けるという貴重な経験をしたので、どんな感じだったのか少し詳しく書いてみようと思う。私が感心したのは、性犯罪に対する警察の対応が日本のときと全然違い、被害者の心情や希望を伺い、最優先させてくれたことだった。

~Officeでの聴取(警察官とofficeのスタッフ、ソーシャルワーカーと私の4人)~

部屋に通された後3人から、今の気持ちはどうか、あなたが話したいと思うまで待つので、座ってお茶を飲んでリラックスして、と言われる。この3人はこのとき初めて顔を合わせたそうだが、冗談を交わしたりしていて、こちらを和ませようとしてくれているのがわかる。特にソーシャルワーカーは日本語で自分のことをいろいろと話してくれたり、常に私の近くにいるように気を遣ったりしていてくれた。

警察官から、聴取を開始していいか、と確認される。I'm ready.と答えると、「私と二人だけで話したほうがいい?それともこの場で他の二人に聞かれる形でもかまわない?」と聞かれる。私が、たぶんときどき日本語でのヘルプが必要になると思う、とソーシャルワーカーを見ながら答えると、彼女は「オーケー。もちろん通訳します」と微笑んでくれて、警察官もそれならここで話しましょう、と言って聴取開始。

最初に全員のIDを警察官に提示する。カリフォルニア州の運転免許証を持っているか?と聞かれたけど私は持っていないので、代わりにパスポートを提示。他の二人はUCバークレー関係者の身分証だった(ちらっと見た感じでは学生証と同じような体裁をしていた)。それから、全員の氏名と電話番号とメールアドレスを警察官は紙に書きとった。

次に私の詳細を書いていく。「人種はアジアン、髪の色はブラックね、瞳の色はブラウン…」身長と体重を聞かれたとき、とっさにインチとポンドに換算できなかったので、センチメートルとキログラムで言っていいですか?と聞くと「いいわよ」と言われる。私の回答を聞き取ったofficeのスタッフが手持ちのi Phoneで単位換算してくれた。「軽い!軽すぎるわ!私が子どものころの体重よ!」と言いながら。

私は事前にoffice宛てに事件の詳細や犯人の服装などをメールで送っていたので、そのメールを全員が印刷して持っていてくれた。とてもわかりやすい、こんなに詳しく覚えているなんてすごい、と褒めてもらいつつ、事件の顛末を説明する。

警察官からは、犯人の服装について予想以上にかなり詳しく聞かれた。たとえば私が、男はカーキ色のcap(つば付きの帽子)を被っていた、としか言わなかったら、「capと言ってもどんなcapだったのか、つばの大きさは大きかったか小さかったか、帽子の素材は何か、帽子に何かロゴは付いていたか、帽子から髪の毛は見えていたか」などといったレベルで聞かれるので、私も記憶をたどりながら描写していく。そんな感じでジャケットと、中に着ていたものについて(私が男はジャケットの前を開けていた、と答えたので)、ズボンと靴、持ち物について答えていく。

次は犯人の外見について。「男は白人で50歳くらいとあなたは言っていたわね」と確認されてから、髪の色と長さ、髪はカールしていたかストレートか、ひげは生やしていたか、刺青をしていたか、アクセサリーをつけていたか、など聞かれる。私が何気なく、男は清潔できちんとしていて(clean and neat)、uglyではなかった、悪い印象はしなかったのでてっきりここの住民だと思っていた、と話すと、officeのスタッフが「イケメン(good-looking)だった?!」と身を乗り出してくるので皆で笑ってしまう。うーん、イケメンではなかった、ただこちらを警戒させる印象はなかったの、と説明し直す。

そして、男から露出されて白いものを出されたときのことになるとさらに詳しく聞かれる。Officeのスタッフがここでまた「(男が放ったものは)あなたの身体にかかっちゃったの?!」と慌てる。男とは1メートルくらい離れていたのでそれはなかった、と答えると「よかった!でもそんな近くでなんてあんまりだわ」といたわってくれる。警察官からは、その瞬間の男の着衣の様子、言動はどうだったか、私に襲いかかることはあったか、私が逃げたときに追いかけてきたか、などと聞かれた。

また、事件の内容が内容だけに、はっきり言ってかなりきわどい質問もあった。(男のズボンはずいぶん汚れたのではないか?という質問は聞き取れなかったので、通訳してもらった。)英語での性的な表現については映画や本である程度知ってはいたけれど、まさかその知識を使って英文を組み立てて話す日が来るなんて夢にも思わなかった!アメリカン・テレビドラマの中のガールズトークをしているような気持ちになった。

事情聴取はここで終了。警察官から、あなたがよければ現場検証をしたいけどかまわないか、と聞かれてもちろん、と答える。4人で歩いて自宅まで行って、事件の流れをあらためて説明しながら当時の具体的な立ち位置を説明する。この場所で私は男の存在に気がついて、階段のここで話しかけられて、再び歩き始めたらまた声をかけられて立ち止まったのがここ、というように。

そして現場検証も終了。「ありがとう!あなたは本当によくやってくれたわ。あんなに怖い出来事があったのにこんなに覚えていて。多くの女性は性犯罪に遭うと黙ってしまうの。でもあなたのおかげでこんなに情報が得られて助かったわ」と警察官。「私はもうすぐ誕生日なの。誕生日までには犯人の証拠が見つかって、家の居場所をつきとめて、警察が家にいったら犯人がちょうど家にいて逮捕するのよ!そうなったら最高のプレゼントだわ!」とofficeのスタッフ。

私が、あの男はきっとまた同じことを繰り返すし、もっとひどいことをすると思う、私が一番おそれているのは、他の女性がもっとひどい目に遭うことなの、と言うと「あなたはすばらしい女性よ!とても誇りに思うわ」と皆から握手され、ハグをした。

そのあと私はソーシャルワーカーとofficeに戻り、カウンセリングを受けた。日本語と英語を交えつつ、さりげなく個人的な話もしながら、リラックスするための方法を具体的に提示してもらったり、ヨガや瞑想などvillageで行っているサークル活動も紹介してもらったりした。


~翌日(警察官と私の2人)~

昨日と同じ警察官が自宅を訪ねてきた。あなたに確認したいことがあって、と言う。
「もし警察が犯人を逮捕したら、あなたはどうしたい?」と聞かれた。私が、犯人の顔を確認したいというと彼女は大きく頷く。そして「あなたは犯人を刑務所に送って欲しい?」と質問される。うん?どういう意味だろう?と思っていると、彼女は警察の仕組みを説明してくれた。

強盗や強姦のように身体に直接危害を加えるような凶悪犯罪の場合は、警察は犯人を逮捕したあと被害者の希望とは関係なく自動的に刑務所送りにする、そして今回のように身体に直接の被害が及んでいないような、比較的危険度の低い犯罪の場合は(「でも、今回の事件ももちろん深刻なものよ」)、犯人を刑務所送りにするかどうかは被害者の希望によるのだ、と。

私は、犯人を刑務所送りにして欲しい、なぜならあの男は今後も犯罪を繰り返すだろうし、おそらくもっと有害な行為をするであろうと思うから、と答えた。警察官は「私と同じ見解でうれしいわ。私も犯人は刑務所に入れなければいけないと思うの」といい、話を続けた。
「あなたは30歳だというけど、ずいぶん若く見えるわ。小柄だし、girlに見えるのよ。犯人は小児性愛者かもしれないから、女の子たちに被害が出ないようにしなければならないわ」(個人的には、この手の話題は慣れているし理解もできるので、私は特に失礼なことを言われたとは思わない。事実として私は5フィート未満と背が低くて童顔で、欧米人からは小学生に見えるといわれるので)

そしてよければ私の写真を撮らせてほしいと言われたので、かまわないと答える。犯人はこういうタイプの女性(女の子?)を狙うということを警察で把握して、マークしておきたいのだと言う。もし犯人を見かけたり、もしくはまた別に怖い思いをすることがあったりしたらすぐに電話して、と言って彼女は去っていった。

事件後の対応というのはこれでひととおり終了した。伝えたいことは全部伝えることができたので、それについては満足している。ただ、何しろほんの数日前の出来事なので、実はまだよく眠れないし食欲もない。自分で思っていた以上に恐怖を感じていたようだ。ありがたいことに、来週にはもう一度カウンセリングをしてもらえるので心強い。あせらずに時間をかけて恐怖心を克服していこうと思う。

2012年11月29日木曜日

UC villageで再び、犯罪発生


Village内でまたしても性犯罪が起きてしまった。今回被害に遭うこととなったのは、実は私。

先日の夕方、アパートメントに隣接するランドリールーム(住民専用に洗濯機と乾燥機を設置してある部屋)に寄った帰り道のことだった。私がアパートメントの階段を上っていると後ろから男性が上がってきたので、てっきり同じ建物の住民なのかと思っていたら、つけられていたのだった。見た目には怪しい様子はなかったので、話しかけられたときもまさかあんな目に遭うなんて思いもしなかった。

結果的に言うと男は露出(と放出!)することが目的だった。実はそのとき自分の部屋のすぐ近くまで来ていたのだけど、瞬間的に「自分の家を知られるのはまずい」と思って自宅の前を素通りして、アパートメントの廊下を走って逃げた(この対応は後で警察官から褒められた)。幸いにも男は追いかけてくることもなく、振り向いたときには立ち去っていた。不幸中の幸いだったのは、こちらの身体に危害を加えてくるようなことはなかったことと、男が銃やナイフなどの武器を持っていないようだったことだろう。

そのあと、今年の9月にやはりvillage内で起きた性犯罪(男が水道業者を装って部屋に入り、露出した事件)について書かれたビラを改めて読んでみて、犯人の特徴から同一犯だと確信した。本当はすぐ警察を呼んだ方がよかったのだろうけど、動揺が収まらなかったし、一人きりで警察官と話せる自信がなかった。

結局、翌日になってからUC villageのofficeにメールを送って通報した。すると、すぐにofficeから電話がかかってきて、「メールを読んだわ。本当に怖い思いをしたわね、お気の毒に。あなたさえよかったら警察に報告したいんだけど、大丈夫かしら?」と言われた。私はぜひ警察に話したいから、とofficeに出向くことにした。(officeのスタッフは親切にも、「外に出るのがまだ怖ければ、あなたの家に警察官を派遣することもできるわよ」と言ってくれた)

Officeに到着すると、3人の女性が待っていた。警察官とofficeのスタッフ、それからソーシャルワーカー(後でカウンセリングをしてくれた)だった。隠れ家的な場所にある建物に案内され、終始こちらの心情を気遣われながら、事件の詳細や犯人の特徴を説明した。幸運なことに、ソーシャルワーカーさんはとても上手に日本語が話せたので、警察官の質問の意味がわからないときには彼女が通訳してくれた。(彼女は、メールに書いてあったあなたの名前を見て、あなたは絶対に日本人だと確信していたの、と話してくれた。彼女には日本人の旦那さんがいて、日本に5年間住んだことがあるらしい)

怖い思いをしたのに、よくこんなに覚えていたわね。アメリカに来たばかりでこんな嫌な思いをさせて本当にごめんなさいね。こういう思いをした人は胸に秘めてしまうことが多いのだけど、あなたはとても勇気があって同じ女性として誇らしいわ。そんな風に励まされたり労わられたりしながら、現場検証(男が放ったもののDNA採取も)も含めて調査を終えた。

私がもっとも恐れているのは、犯人がこの次にはもっと悪質な行為を他の誰かにするかもしれないということ。犯罪の内容が9月の事件と比べてエスカレートしていたから。だから報告したかったし、住民にもどうか知らせてほしい、と伝えた。

UC villageに住む女性のみなさん、50歳くらいの白人男性でカーキ色の衣服を着た人を見つけたら、どんなにもっともらしく声をかけられても無視して逃げてください!見知らぬ男性に必ずしも親切にしてあげる必要はありません!
(追記:officeの発表によると、前回の被害者もアジア人女性だったことが判明。)

Villageにいると、芝生や公園で子どもたちが遊んでいたり、みんなで助け合って暮らしていたりして、ついほのぼのしてしまうのだけど、外部から誰でも入ってこられる構造をしている以上、やってくるのは「いい人」ばかりではないのだ。

それにしても、アメリカに来てからまだ4ヶ月だというのにすでに2回も怖い目に遭っている。(以前、ホテルの部屋に侵入されたことがある)。そういえば、スーパーマーケットで男性店員から卑猥な冗談を言われたこともあった。

一歩家を出たら安全の保証はない、ということを学習できたと思って、日々警戒して暮らしていくしかない。あと一年半、ここで生きていくわけだから。

2012年11月27日火曜日

郵便局


月に一度か二度、郵便局へ行く。京都に住む姉とバークレーで暮らす私との、そして4歳の甥っ子と30歳の叔父さんとの文通のために。

私がいつも行くのはDowntown Berkeley駅の近くにある、少し規模の大きい郵便局。



中に入ると、まるでヘアドライヤーのような形をしたケースがあり、手動で番号札を取って自分の番号が呼ばれるのを待つ。日本のように機械化されていて「22番の番号札をお持ちの方は、3番窓口までお越しください」なんていうアナウンスは流れない。

アメリカの郵便局で提供されるサービスは、手紙を送るか、小包を送るか、もしくは郵便局留めにしていた小包を受け取るか、くらいのもの。日本みたいに預金はできないし、保険なんて扱っていないし、ふるさと小包便なんて粋なサービスにはお目にかかれない。葉書の販売すらしていない。おまけに日本だったら当然のように、お客さん用にボールペンや糊が置いてあるものだけど、こっちでは盗難防止なのか、そういったものは置いていない。ときどき「誰かペン持ってる?」「持ってるわよ、どうぞ」とお客さん同士でやりとりしている。すっかり見慣れた光景だ。この国では不便さは助け合いで補うものなのだ。

初めて郵便局に行ったとき、窓口に着いてから、そういえば普通郵便って英語で何と言うんだろう?と思い、苦しまぎれに「この手紙を普通の方法で(regular way)で送りたいの。速達じゃなくて(Not express)」と言ったらわかってもらえた。言ってみるものだ(^_^;)ちなみにアメリカでは普通郵便のことはfirst-classというらしい。日本まで1ドル5セント(約84円)という安さで封書を送れることにびっくり!(届くのには1週間くらいかかる)

この前などは番号札の用紙が切れてしまっていたのに、窓口の黒人の恰幅のよいおばちゃんは気がつかずに番号を次々に読み上げていくので(番号を呼ばれたら即座に返事しないと、容赦なく次の番号が呼ばれてしまう!)、すかさず「番号札がないんです!」とアピールしたら、おばちゃんは補充してくれるわけではなく、「レバーを下げて、ふたを開けて、中の紙を引っ張り出すのよ!」と、慣れた調子で教えてくれた。
どうもこの番号札は、札を千切るときに自分の後の人のことを考えて長めに外に引き出してから千切らないと、次の人は札を取れなくなる構造らしい。おばちゃんに言われたことを頭の中で反芻していたら(ええと、まずレバーで、それからふたで…)、近くにいた他のお客さんが手早く中の紙を引き出してくれた。

窓口のおばちゃんたちはいつでもフレンドリーで、スタッフ同士やお客さんと冗談を交わしながら大きな身体を揺すって豪快に笑う。見ていて明るい気持ちになるのでなかなか気に入っている空間だ。

先日私は速達で書類を送りたかったので、郵便局に備えてあったそれらしき封筒に入れたのだけど、どうも封筒を間違えていたらしい。おばちゃんは「この封筒では速達にならないのよ。こっちの封筒に入れてあげるわ。速達だとあと5ドルかかるわよ」と教えてくれた。以前、黒人特有の早口の英語に戸惑って聞き返したときにも丁寧に説明し直してくれたりと、いつも親切にしてくれる。

郵便局で手紙を投函してホカホカとした気持ちになったところで、お気に入りのMorgan's cafeに寄ったりベトナム料理屋さん・Saigon Expressでフォーを食べたりする。それから図書館で本を借りて、raw energyでジンジャーたっぷりの野菜ジュースを買って、バスに揺られて帰る。これが私の、たまに過ごす楽しい一人時間。

2012年11月18日日曜日

インド人のお宅訪問


先日、夫のクラスメイトで南インドからやってきたというキャンディさんのおうちで夕食をいただいた。

キャンディというと何だか女の子みたいな名前だけど、実は50歳すぎのおじさん。本名が外国人には難しい名前なので、キャンディと名乗っている。初めましてと挨拶すると、瞳をキラキラと輝かせながら微笑み、大きな肉厚の手で握手してくれた。全身で「Welcome!」と伝えてくれているようだ。

キャンディと奥さん、同じくクラスメイトで南インドからやってきたウジャラと旦那さん、やはりクラスメイトで韓国人のリーさん一家と私たち夫婦。総勢9名、アジアの晩餐会となった。

この日はインドの暦ではお祭りにあたるらしく、キャンディ夫妻は「Happy Diwali」と言って民族衣装を着ていて、部屋のあちこちにキャンドルを灯していた。本当はインドではこのお祭りのときは花火をやるのだと教えてくれた。そしてなぜか最初にデザートを出された。スシヤム(日本のsushiと同じ名前だよ、と説明してくれた)という名前のココナツを使ったお団子のようなお菓子と、麺を揚げたのかな?と思わせる揚げ菓子(こちらは名前を聞きそびれてしまった)。

奥さんが振舞ってくれたインド料理は、ナスのカレー、チキンのカレー、もうひとつ忘れてしまったけど辛めのカレー、それからナンにライスにヨーグルト。日本人にとってはカレーはなじみがある食べ物だし、スパイスの使い方も控えめで辛すぎず、とても食べやすい。以前、キャンディ夫妻の引越しを手伝ってくれたリーさんにカレーを食べてもらったら、「辛い!」と驚かれたので辛さを控えてくれたらしい。奥さんが「日本人に食べてもらうのは初めてなの。味はどうかしら?」と気にかけていたので、「とても美味しい!日本ではインド料理は人気があって、レストランもいっぱいあるよ」と答えるとうれしそうだった。

彼らはみな気さくに話しかけてくれるのだけど、私は慣れないインド人の発音に四苦八苦。質問されても意味を理解できるまでに時間がかかってしまい、とっさに返事ができなくて残念。それにしても、彼らのよどみなく英語を話せる能力には目をみはるものがある。

私の名前が珍しいのか、キャンディは何度も名前を確認してくる。私はアメリカに来てから一度も名前を正しく読まれない。「ち」で始まる名前は外国では珍しいのか、名前だけ見た人は私を中国人だと思うらしい。以前アメリカ人から間違えて「チャイ」と呼ばれたことがある、と話したらインド人たちにウケた。

手土産には、さんざん悩んだ末に羊羹を作って持っていった。(インターネットで検索したら、インド人は醤油や味噌の味つけはあまり好まないとか、「柿の種」が良いとか(?!)、甘いお菓子が喜ばれるなどと書いてあったので、半信半疑で日本のお菓子を作ってみようと決めた)インドの人たちは珍しそうに見て、「これはベジタリアンか?」と聞いてくるので、アズキという豆でできていると答えると、安心したかのように口に入れてくれた。

時計をみるといつのまにか21時。いつも21時半に床に就くというキャンディがあくびを連発し始めたので、ここでお開き。

別れ際、奥さんは「困ったことがあったらいつでも電話してね」と言ってくれた。ありがとう、でも私はあなたの電話番号を知らないんだけど、と思いつつその優しさが胸に温かかった。

2012年11月13日火曜日

バレエ観賞


先月、Cal Performanceで「Swan Lake(白鳥の湖)」を観てきた。Cal PerformanceというのはUCバークレーにて、クラシックコンサートやダンスパフォーマンスなど芸術鑑賞ができる企画のことで、学生だと内容によっては15ドルという安さ(一般でも30ドル)でプロのアートに触れることができる。

夫も私もバレエとは縁のない人生を送ってきたのだけど、以前見た映画「ブラック・スワン」でにわかファンになり、いつかはバレエを観てみたいよね、と話していたら、思いがけず早く「いつか」がやってきた。夫がCal performanceの会員になっていて、今後の上演スケジュールがメールで送られてきたのでチェックしていたら、Swan Lakeを上演することがわかり、いそいそとチケットを購入。最上階の隅という慎ましい座席を選んで、二人で45ドル(約3,600円)。

当日会場に向かうと、観客には小学生くらいの女の子連れの家族が圧倒的に多くてびっくりする。女の子たちはみな前髪なしのロングヘアで、髪をお団子に結っている子も多い。白いタイツを履いている子や、一目でバレエの衣装とわかるひらひらとしたスカートを履いている子も少なくない。バレエを習っている子にとっては確かに、憧れの舞台に違いない。

舞台は休憩をはさみながら3時間にわたって行われた。休憩時間だけで1時間はあったと思うので、演技は実質2時間くらい。観客のノリがいいのはアメリカだからか、バレエだからなのかはわからないけど、拍手という方法で観客も参加しているような気がする。それぞれの役者に見せ場がきちんとあって、観客は惜しみない拍手を送り、歓声をあげる。

ストーリーは、映画「ブラック・スワン」では悲劇だったのだけど、この公演ではハッピーエンドだった。演出家によって変えられるものなのだろうか?それとも何パターンかストーリーがあるのだろうか?

終わってからしばらくは夫婦のあいだで白鳥の湖ブームになってしまい、夫が大学から帰宅するとバレエで登場(そのときの気分で王子だったり悪い魔法使いだったりする)、音楽も自らの口で演奏してノリにノっている。ここは妻もあわせなければ、とバレエで出迎えるというおかしな光景が家の中で繰り広げられることとなってしまった。

2012年11月8日木曜日

図書館通い


地下鉄BARTのDowntown Berkeley駅の近くに公立の図書館があり、Berkeley Public Libraryという。そこには日本語の本も置いてあるので、足しげく通っている。

貸出券を作るには写真付きの身分証明書と、住所を確認できるものが必要なので、私はパスポートと自分宛にCitibank N.A.から届いた郵便物を持っていった。受付に行く前に、端末に自分の住所や生年月日を入力し、登録をすませてから受付で貸出券を発行してもらう仕組み。

南米系と思われる女性が利用にあたっての説明をしてくれた。大人は延滞すると罰金を払わなくてはいけないというのが何となくアメリカっぽいなあと思う。貸出期間は3週間と長い。

日本語の本の在庫は寄贈で成り立っているのか、紀伊国屋書店の値札シールが貼られたままの本もある。「アメリカで生活するには」というようなマニュアル本から料理の本、小説、なかには漫画もあって驚き。(でも大体は5巻と6巻だけ、などという取り揃えなのでストーリーはつかめなさそう…)

以前寄贈してくれた方の中に、村上春樹さんの熱心なファンがいたようで、せっせと読んでいる。三十路になってわかるようになったものに、村上春樹さんの作品の面白さとビールの美味しさの2つがあって、世界が少し広がった。よい変化だと思う。

ところで一度、自分の用のついでに夫が借りたCDを返却したことがあったのだけど、さすがアメリカ、事務がスムーズには運ばない。次に夫が図書館に行ったときに「返却していないCDがある」と言われ、返したはずだと言っても「ない」と言われるばかりで、結局「今回は延長したことにしてあげるから、また3週間後に返してね」と言われてしまったらしい。

あらためて夫が図書館に行くと、夫が現在借りていることになっているはずのCDが棚に置かれているのを発見し(!)、もう説明する気にもなれなくてそのまま返却の手続きをしたそうな…。

まあこちらも、住民税すら払っていないのに無料で本を貸してもらえるのだから文句は言えないのよね。日本語の本が読めるだけでもバンザイだよね。なんて、期待値がますます下がっていくアメリカン生活(^_^;)

2012年11月1日木曜日

ハロウィン


アメリカで暮らす機会なんて、おそらく今後の人生ではもう得られないだろう、と思ってハロウィンに参加してみることにした。UC village内でもかなり盛り上がるイベントらしく、ハロウィン前にはカボチャの販売会も開かれるし、あちこちの家で飾りつけが行われている。

お菓子は、信頼しているお店・Natural Grocery Marketで見つけたYumEarthのorganic lollipopを選んだ。これが着色料ゼロ、砂糖ゼロ、グルテンも一切含まず、100パーセント天然果汁を使用しているという、夢のようなキャンディ。



着色料なしという文句にふさわしく、アメリカのお菓子にしては目にやさしい素朴な色合いで、味見してみると、これがとてもおいしい!もう1本、あと1本、これで最後…とついつい食べてしまい、夫から「あ~あ、Chaiのせいで悲しい思いをする子が出てくるね」と言われてしまった。

飾りつけについてはあらゆるお店でグッズが売られていたけど、なかなか可愛いと思えるものが見つからなかった(リアルなガイコツとか目玉とか血のりのついた足首とか、こんなの暗闇で見たら泣きそう!というものばかり)ので、自分で絵を描いて玄関に貼ることにした。

オバケにちなんで、夫の好きなオバケのQ太郎の絵を描いた。隣には私のお気に入りのドロンパ(Qちゃんの仲間でツンデレの先駆け?的なキャラクター)を。これ、外国人が見ても何のことだかさっぱりわからない。でもいいさ、オリジナル性で勝負だ!(誰と?何の?)



その夜うちを訪れたメンツをご紹介。いきなりギリシャ神とオバマ大統領というビッグな組み合わせで始まり、サムライ、スーパーマン、ウォーズマン(アメリカのコミックヒーロー)など、凝ったコスチュームで男の子たちが続いた。女の子たちはみな可愛らしく魔女やお姫様で登場。

ハロウィンのマナーなのか、どの子も1つしかキャンディを手にとらないので、「Have some more!(もっとどうぞ!)」と言うとやっと2つ目をとり、3つ目は辞退する。同伴する親も、1つもらった時点で「もうもらったから、いいでしょ?」と去ろうとする。

うれしかったのは、ドアに貼ったオバケのQ太郎を指して、「初めて見たけど、とてもかわいい!」と言ってくれた韓国の女の子がいたこと。さすがは日本が誇る藤子不二雄先生、国境を越えて子どもの心をゲットだ!