2012年10月7日日曜日

自由奔放な住人たち


UC villageにはいくつか規定があって、たとえば「洗濯物を外に干してはいけない」とか「ペットを飼ってはいけない(魚を水槽で飼う、鳥を籠で飼うのはOKだけど、それ以外の犬や猫などは禁止)」というものがある。

でもこれ、実はあまり守られていないのが現状。洗濯物は見たところ半分以上の家庭で外干ししているし(我が家も)、なかには共用スペースのベンチやテーブルの上に布団を干すツワモノまでいる。また、欧米人は乾燥機を使うのが一般的で洗濯物を外に干さないと聞いていたのだけど、皆さん思考が柔軟なのか、外干しに転向している。

あとペットを飼っている人が意外と多くてびっくり!家から堂々と犬とともに登場し、散歩を始める人たちを両手では数え切れないほど目撃した。ベビーカーを押しながら犬をリードでつないで散歩させているお父さんとか、庭に燦然と犬小屋を置いて大型犬を飼っている家庭とか、なんとも自由な感じ。villageのごみすて場にペットフードの袋が捨てられているのを見て「?」と思っていたけど、こういうわけか、と納得。

他に面白いなあと思う規定は、「他人の子どもを勝手にしつけないこと。注意したければその子の親に話を通すように」というもの。確かにこれだけいろんな国の人たちが住まうと、文化と文化のすれ違いも多いだろうから無理もない。きっと過去になにかトラブルがあったのだろう…。

「騒音トラブルについては、まずは本人同士で穏やかに話をつけること。それでも改善しなかったときにはvillage officeへ連絡すること」というのは、そうか、officeの人も大変なのね、お疲れさまです、と言ってあげたいけど、普通はまず第三者を介するものなんじゃ…?これって、血の気の多い事件とかに発展しないかな(^_^;)

騒音については最近まで我が家も頭を抱えていた。入居したその日の夜、うちの部屋の床や壁、天井にまでズシーン、ズシーンと振動が走るので地震かと思ったら、階下の人が流す音楽だと気がつき、それが始まりだった。階下の住人はヒップホップだけならまだしも、同じフレーズをマントラのように繰り返すトランスミュージックを爆音で1時間以上、朝・昼・深夜を問わずかけるのですっかり参ってしまった。ときどき感極まった彼が魂の求めるままにシャウトしてしまうからたまったものではない。しかし人間の順応力って不思議なもので、だんだん「あれ、これって結構いい曲なんじゃない?」と洗脳されてくるので危ない危ない。

夫婦でいろいろと憶測した。ああいう音楽を好むのは黒人じゃないか、いや偏見はよくないよ、意外と日本人かもしれない、…絶対ないよ(-"-)聞いている音楽からして何か怪しい宗教に入っているんじゃない?だって8月なのに外にクリスマスリース飾ってるんだよ?そもそも本当にバークレーの学生なんだろうか?もしかして勝手に住み着いたんじゃ…、etc.

ちなみに実際に確認がとれたのは、彼が黒人で、10月になった今でもやはりクリスマスリースを飾ったままだということ。

結局、お手紙を書いて彼の家のドアにそっと貼ってみようかと話し合っていたあいだに、お隣のインド人のお父さんがこの黒人に注意をし、黒人が見事に逆上したため明け方4時に大喧嘩となってしまった!(1時間にわたる騒ぎで、私は暴力沙汰になったらどうしようとハラハラして携帯電話を握り締めてベランダで聞き耳を立てていた。お隣のおばあちゃんも出てきていた)この黒人の風変わりな理論が炸裂したため話し合いは決裂、後日インドのおじさんがofficeに通報したことで騒音はやっと鳴りをひそめた。

その後、この黒人の家族が引っ越してきた。かわいい女の子が「This is my house!」と嬉しそうに話しかけてきたので、「そうなんだ、いいねぇ、ここがあなたのおうちなんだ」と答えるとはにかんで駆けていってしまった。彼の様子も優しいパパといった風情で以前の騒ぎなんて想像できないほど穏やかだった。きっと家族と離れていて寂しかったのだろう、と夫と意見が一致し、ようやく静かな生活が始まった。